Joeの精進記録

旧:競プロ練習記録

The Complexity of Cubical Graphs

www.sciencedirect.com

概要

グラフ Gがcubicalであるとは、あるhypercubeが存在して、そのsubgraphとなることをいう。 Gが与えられたとき、 Gがcubicalであるか判定するのはNP-Complete

hypercube

頂点番号が 0から 2^n - 1からなり、頂点番号のbinary表現で1bitだけ異なる頂点間に辺が張られている。

証明

描画はNAE3SAT!!!で常勝!wと思っていたけど今回はEXACT COVERをしている。すげ絵

EXACT COVERインスタンスをcubical埋め込みオラクルによって解くことで示している。

Theorem 1

 Gがcubicalであることと、 Gがproper coloringを持つことは同値

連結な {1,2}-Graphの辺彩色がevenであるとは、どの色についても偶数回現れることをいう。 Gの辺彩色がproperであるとは、 Gの部分グラフである連結な {1,2}-Graphが、サイクルである場合、そしてその場合に限りevenであることをいう。

構築

まず、いま考えているEXACT COVERの問題を整理する。

集合 Sの部分集合の族 \mathcal{F}を考え、 Sの各要素を含む \mathcal{F}の要素はちょうど3個ある。いま、 \mathcal{F}のdisjointな部分族で、 Sをちょうどカバーするものがあるかどうか調べたい。

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まず、 Sの各要素について、hexagonを作る。hexagonの上の辺同士を長方形でつなぐ。こうすると、proper coloringをもつとき、上の辺はすべて同じ色になる。

次に各 \mathcal{F}の要素について、それらに含まれる要素たちのhexagonの下3辺のうちどれか同士をladderで結ぶ。このとき、ladderの長さは、hexagonの上の長方形をたどって(上の1辺は通らない)、移動するときのコスト+2とする。これは一見複雑に見えるが、結んだ下の辺たちが同じ色になるように調整するためだけの理由。

あとは、これにproper coloringが存在するかを考えればいい。hexagonの上の辺のcolor (全部同じ)を0とすると、下3辺のうち、ちょうど1辺だけが0になりえる。0になった辺たちが、EXACT COVERに対応する。

逆にEXACT COVERが存在するときは、それに対応して割当を構築できる。

感想

これもかなり天才構築でびっくりする。研究は天才以外お断りパズル論文コンテストなのか